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よくあるご質問

よくあるご質問の一覧です。

質問

回答

  • A 行政書士は、よく「街の法律家」などと言われます。
    私たちは、一般の方に最も近い視点で、身近な法務に関するお困りごとの相談に乗り、お客様に安心をお届けする仕事であると考えております。

    具体的には、次の1~3の業務をする専門家です。

    1 「官公署に提出する書類」の作成とその代理、相談業務
    官公署(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察署など)に提出する書類
    その書類のほとんどが許認可に関するもの
    例として、「建設業許可申請書」、「飲食店営業許可申請書」、「法人設立」、「倉庫業登録申請書」などがあります。

    2 「権利義務に関する書類」の作成とその代理、相談業務
    権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示を内容とする書類
    例として、「遺産分割協議書」、「売買契約書」、「請負契約書」、「任意後見契約書」、「内容証明郵便」、「定款」などがあります。

    3 「事実証明に関する書類」の作成とその代理、相談業務
    社会生活に交渉を有する事項を証明するに足りる書類
    例として、「取締役会議事録」、「会計帳簿」、「実地調査に基づく図面類(位置図、案内図、現況測量図など)」などがあります。

    ※他の法律で制限されているものについては、業務を行うことはできません。

    行政書士の独占業務
    行政書士法第1条の3第1項 官公署に提出する書類作成、権利義務又は事実証明に関する書類作成
    行政書士法第1条の3第2項反対解釈 他の法律で制限されている部分以外なら全て業務にできます。

    行政書士の非独占業務
    行政書士法第1条の4第1項第1号 提出手続代理
    行政書士法第1条の4第1項第3号 紛争性のない契約代理(締結交渉+契約書作成+契約締結)
    行政書士法第1条の4第1項第4号 書類作成相談
  • A 「法律家」とは、法律に関する専門的な知識を有し、法律を取り扱う人の総称であって、特定の資格を指すのではなく、法律のプロフェッショナル全般を表す包括的な概念です。

    狭義では、「弁護士、裁判官、検察官の法曹三者」を指します。

    広義では、「法学研究者、法科大学院教授、大学教授、法制局職員」など、実務以外で法律に携わる人も含まれます。

    さらに、「司法書士、行政書士、社会保険労務士、弁理士、土地家屋調査士、税理士、海事代理士など、法律系国家資格を有する弁護士以外の特定事務受任者、いわゆる隣接法律専門職者(法律系7士業)」も含まれます。

    ●日本政府は、弁護士以外の法律系7士業を「隣接法律専門職者」として例示しています。
    海外では一般に「法律家=弁護士」という認識が多いため、日本政府は、政策文書、制度説明、海外向けの資料などで、日本の法律専門職制度について説明する際、弁護士以外の職種も法律に関わる専門職として並列に扱われることを示しています。

    ●総合法律支援法によれば、「弁護士以外の者で」「法律により他人の法律事務を取り扱うことを業とすることができる者」が「隣接法律専門職者」とされ、弁護士と並列されています。

    「隣接法律専門職者」とは、「弁護士、弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人以外の者であって、法律により他人の法律事務を取り扱うことを業とすることができる者」とされています(総合法律支援法第1条)。

    ●住民基本台帳法によれば、弁護士を含む法律系8士業(弁護士及び弁護士以外の法律系7士業)を「特定事務受任者」として、弁護士と並列されています。

    「特定事務受任者」とは、「弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。)、司法書士(司法書士法人を含む。)、土地家屋調査士(土地家屋調査士法人を含む。)、税理士(税理士法人を含む。)、社会保険労務士(社会保険労務士法人を含む。)、弁理士(弁理士法人を含む。)、海事代理士又は行政書士(行政書士法人を含む。)をいう。」とされています(住民基本台帳法第12条の3第3項)。

    つまり、弁護士を「法律家」と呼ぶなら、「法律により他人の法律事務を取り扱うことを業とすることができる者」である法律系7士業も、弁護士と並列の立場にあることから、「法律家」と呼ぶことができます。

    ●法律系国家資格者の一般的呼称は次のとおりです。

    ・弁護士:法律家
    ・司法書士:暮らしの法律家
    ・行政書士:街の法律家
    ・社会保険労務士:労働の法律家
    ・弁理士:知的財産の法律家
    ・土地家屋調査士:不動産登記の法律家
    ・税理士:税の法律家
    ・海事代理士:海の法律家
  • A 法律に関する行為であっても、次のような場合には、法律系国家資格を要しません。
    ただし、各資格法により、一定の行為を「業として」行うことは、無資格者には禁止されています。
    また、資格法の構造により、「資格不要となる場合がある士業」と「無資格では行えない士業」があります。

    【法律系8士業】

    ●弁護士:無資格者は、「報酬を得る目的で」「事件に関して」「業とできない」のだから、「何れかの要件」を満たさないなら資格不要(弁護士法第72条)。

    ●司法書士:無資格者は、「有償/無償」「業務/非業務」にかかわらず行ってはならない(司法書士法第73条第1項)。

    ●行政書士:無資格者は、「報酬を得て」「業として行えない」のだから、「有償かつ非業」または「無償かつ業」なら資格不要(行政書士法第19条第1項)。

    ●社会保険労務士:

    ・1号(手続き代行)は、無資格者は、「報酬を得て」「業として」行ってはならないのだから、「業でない」なら「有償/無償」にかかわらず資格不要(社会保険労務士法第27条)。

    ・2号(帳簿作成)は、無資格者は、「報酬を得て」「業として」行ってはならないのだから、「業でない」なら「有償/無償」にかかわらず資格不要(社会保険労務士法第27条)。

    ・3号(相談)は、独占業務ではないから「無資格」で行ってよいので資格不要。

    ●弁理士:無資格者は、「報酬を得て」「業とできない」のだから、「有償かつ非業」または「無償かつ業」なら資格不要(弁理士法第75条)。

    ●土地家屋調査士:無資格者は、「有償/無償」にかかわらず「業とできない」のだから、「業でない」なら「有償/無償」にかかわらず資格不要(土地家屋調査士法第68条第1項)。

    ●税理士:無資格者は、「有償/無償」「業務/非業務」にかかわらず行ってはならない(税理士法第52条)。

    ●海事代理士:無資格者は、「有償/無償」にかかわらず「業とできない」のだから、「業でない」なら「有償/無償」にかかわらず資格不要(海事代理士法第17条第1項)。

    【上記から海事代理士を除いて、次の3士業を足したのが法律系10士業】

    ●公認会計士:無資格者は、「報酬を得て」「業として行えない」のだから、「有償かつ非業」または「無償かつ業」なら資格不要(公認会計士法第2条)。

    ●不動産鑑定士:無資格者は、「有償/無償」「業務/非業務」にかかわらず行ってはならない(不動産鑑定士法第36条)。

    ●中小企業診断士:名称独占業務(中小企業支援法第11条第1項柱書)。

    【その他】

    ●宅地建物取引士:無資格者は、「有償/無償」にかかわらず「業を営んではならない」のだから、「有償かつ非業」または「無償かつ非業」なら資格不要(宅地建物取引業法第12条第1項)。

    ●マンション管理士:名称独占業務(マンション管理適正化法第43条第1項)。

    ●測量士:無資格者は、「有償/無償」にかかわらず「業を営んではならない」のだから、「有償かつ非業」または「無償かつ非業」なら資格不要(測量法第55条の14第1項)。

    ●通関士:名称独占業務(通関業法第40条第2項)。

    ●技術士:名称独占業務(技術士法第3条)。

    ●社会福祉士:名称独占業務(社会福祉士及び介護福祉士法第48条第1項)。

    ●介護福祉士:名称独占業務(社会福祉士及び介護福祉士法第48条第2項)。
  • A 他士業との共同業務は次のとおりです。

    ●弁護士(弁護士法第72条
    但書)
    ・紛争性のない契約書・協議書の作成・提出・相談
    ・内容証明郵便の作成・提出・相談
    ・官公署への書類作成・提出・相談

    ●司法書士(司法書士法第73条但書)
    ・会社設立における定款の作成・相談
    ・会社設立における公証役場での定款認証手続き
    ※会社設立における法務局での登記申請手続きの代理(登記申請書の作成・提出代理)は司法書士のみ

    ●社会保険労務士(社会保険労務士法第27条但書)
    ・就業規則作成・相談(帳簿でもないし、社会保険や労働保険に関わる手続き書類でもないが疑義あり)
    ※提出は事業主のみ
    ・補助金申請書の作成・相談
    ※提出は社会保険労務士のみ
    ※助成金申請書の作成・相談・提出は社会保険労務士のみ

    ●弁理士(弁理士法第75条但書)
    ・著作権登録申請書の作成・相談
    ・プログラム著作物等の著作権登録申請書の作成・相談
    ・著作権譲渡契約書の作成・相談
    知的資産経営報告書の作成・相談
    ・ライセンス契約書の作成・相談
    ・利用許諾契約書の作成・相談
    ※提出は弁理士のみ

    ●土地家屋調査士(土地家屋調査士法第68条)
    ・農地転用許可申請(農地法第3条・4条・5条など)の書類作成・提出・相談
    ・開発許可申請(都市計画法)の書類作成・提出・相談
    ・道路位置指定申請の書類作成・提出・相談
    ・道路占用許可申請の書類作成・提出・相談
    ・官民境界確定手続き(公有地・法定外公共物の払下げなど)の書類作成・提出・相談
    ※登記申請のための調査・測量・法務局への表示に関する登記申請は土地家屋調査士のみ

    ●税理士(税理士法第51条の2)
    ・ゴルフ場利用税の書類作成・相談
    ・自動車税の書類作成・相談
    ・軽自動車税の書類作成・相談
    ・自動車取得税の書類作成・相談
    ・事業所税の書類作成・相談
    ・石油ガス税の書類作成・相談
    ・不動産取得税の書類作成・相談
    ・道府県たばこ税の書類作成・相談
    ・市町村たばこ税の書類作成・相談
    ・特別土地保有税の書類作成・相談
    ※提出・納税手続きの申告代理は税理士のみ

    ●海事代理士(海事代理士法第17条第1項但書)
    ・海上運送事業の許可申請書類の作成・提出・相談
    ・内航海運業の登録申請書類の作成・提出・相談
    ・造船業・舟艇製造業の届出書類の作成・提出・相談
    ・港湾運送事業の許可申請書類の作成・提出・相談
    ・マリーナ等の施設使用許可書類の作成・提出・相談
  • A 条文上、包括的業務範囲を持ち、代理権が認められる士業は弁護士、行政書士(H13年)となっています。

    弁護士法第72条規定の法律業務に関する例外として、次のとおり、一部が開放されています。
    ・債権回収業務に関する特例としての債権回収業者(H10年)
    ・権利義務と事実証明に関する文書作成代理権が付与された行政書士(H13年)
    ・特定侵害訴訟事件訴訟代理権が付与された付記弁理士(H14年)
    ・簡易裁判所代理権付与の認定司法書士(H15年)
    ・個別紛争解決代理権が付与された特定社労士(H19年)
    ・聴聞代理権、弁明代理権が付与された行政書士(H20年)
    ・不服申立ての代理権が付与された特定行政書士(H26年)
  • A 業際は次のとおりです。

    ・権利義務書類作成:弁護士、行政書士、認定司法書士(簡裁訴額範囲)

    ・事実証明書類作成:行政書士のみ

    ・裁判所書類作成:弁護士、司法書士

    ・裁判所代理:弁護士、認定司法書士(簡裁訴額範囲)

    ・行政不服審査手続:弁護士、特定行政書士

    ・年金申請書類作成:弁護士、社会保険労務士、行政書士(無報酬)

    ・就業規則作成:弁護士、社会保険労務士、行政書士(疑義あり)

    ・告訴状・告発状作成手続-警察署・労基署・公安委員会:弁護士、行政書士

    ・告訴状・告発状作成手続-検察審査会:弁護士、司法書士、行政書士

    ・告訴状・告発状作成手続-検察庁:弁護士、司法書士

    ・事故調査:行政書士のみ

    ・任意保険申請・後遺障害申請:弁護士、行政書士(弁護士費用特約対象)

    ・慰謝料請求:弁護士、行政書士(交渉を除く(相手方が任意に応じる場合は除く))、認定司法書士(簡裁訴額範囲)

    ・内容証明:弁護士、行政書士、認定司法書士(簡裁訴額範囲)
    (相手方が所在不明でも同意なく取付可)

    ・示談交渉:弁護士、行政書士(相手方が任意に応じる場合)、認定司法書士(簡裁訴額範囲)

    ・契約代理(締結交渉・契約書作成・契約締結):弁護士、行政書士、認定司法書士(簡裁訴額範囲)
  • A いいえ、行政書士は、「隣接法律専門職者」であり、国家によって「法律家」と認められています。
    包括業務を独占業務としている点も弁護士と同じです。
    法務省も「上位規範、下位規範の関係にない」と述べております。
  • A いいえ、行政書士は、権利義務に関する書類の作成を独占業務としており、和解契約書もその書類の一つですし、行政書士は、契約その他に関する書類を代理人として作成することができますから、事件性のない状態であれば、相手方と協議、交渉、締結、書面作成の一連の行為が契約代理権に含まれていて、対応できるとされています。

    総務省は、「行政書士が業務として契約代理を行い得るとの意味を含むものであると解される。」、学説は、「契約締結代理が合法的な行政書士業務たりうる」と述べております。
  • A 行政書士が、非弁行為となるから示談交渉などができないとされるのは弁護士法第72条所定の「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」の条文からくるものですが、報酬性、事件性、業務性の全ての要件を満たさないと成立しません。

    事件性に着目すると法務省、東京都行政書士会、最高裁決定、広島高裁判決、東京地裁判決、札幌地裁判決を見ても分かるとおり、事件性とは、一言でまとめると「話し合いで解決ができず、裁判所の手続が必要なほどに「事件」として争いが成熟したもの」といえます。
  • A 行政書士が、非弁行為とならず限定的な範囲(裁判上での解決を除く)で示談交渉などができるという根拠は、弁護士法の非弁行為が成立するためには、報酬性、事件性、業務性の何れも満たす必要があり、特に事件性については、弁護士法を所管する法務省の公権解釈、最高裁判決・最高裁決定から明らかですが、「私的自治(話し合い)での解決が難しく、裁判上で法的手段を用いることでしか紛争を解決できないものでない」限り事件性がないので非弁行為には当たりません。

    また、行政書士は、契約その他に関する書類を代理人として作成できるわけですが、総務省の公権解釈や学説でも明らかですが、書類を作成するに当たり、協議、交渉、締結の契約代理が含まれていますし、有償委任契約にして対応する民法上の任意代理人が示談交渉することも認められているのだから、弁護士以外の他士業と違って行政書士は、「契約その他に関する書類(契約書、その他に契約書以外の権利義務に関する書類、事実証明に関する書類)を代理人として作成できる」のですから国家資格を持った行政書士が示談交渉できないという理由にはなりません。

    言い換えれば、行政書士は、裁判上での法的手段を用いらなくても私的自治での紛争解決が可能ならば、弁護士法所定の事件性の要件を満たさず非弁行為には当たらないであって、和解契約書を締結するために代理人として慰謝料請求したり、過失割合などを交渉して契約締結を行い、和解契約書を作成することは適法です。

    業務法解釈

    ■<弁護士法>

    ●(弁護士の職務)

    第三条 弁護士は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によつて、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。
    2 弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる。

    ○弁護士法第3条第1項の規定で、弁護士の業務は次のとおり。

    ・訴訟事件、非訟事件に関する行為
    ・審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為
    ・一般の法律事務

    ○弁護士法第3条第2項の規定で、弁護士は次の業務もできる。

    ・弁理士の事務
    ・税理士の事務

    ●(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)

    第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

    ○弁護士法第72条の規定で、次に該当するものは非弁行為となる。

    1 弁護士又は弁護士法人でない者は
    2 報酬を得る目的で
    3-1 訴訟事件、非訟事件
    3-2 審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件
    3-3 一般の法律事件
    に対して
    4-1 法律事務(例として、鑑定、代理、仲裁、和解)を取り扱うこと
    4-2 法律事務(例として、鑑定、代理、仲裁、和解)を周旋をすること
    を業とすることができない。

    ○ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
    と、あるから、弁護士法または例えば行政書士法に別段の定めがある場合は適用されない。

    ■<弁護士法所定の事件性>

    ◆事件性必要説

    【法務省、総務省、日本司法書士会連合会、日本行政書士会連合会、学説】
    法務省、総務省、日本司法書士会連合会、日本行政書士会連合会、学説などは、弁護士法第3条の法律事務と第72条の法律事件の文言の違いなどから事件性を必要とする見解を示しています。

    【法務省】

    ●法曹制度検討会(第24回)議事概要(司法制度改革推進本部事務局)

    1 日時:平成15年12月8日(月) 10:30~12:00
    2 場所:司法制度改革推進本部事務局 第1会議室
    3 出席者:黒川弘務(法務省大臣官房司法法制部司法法制課長)、他省略

    ○報酬性
    報酬を得る目的という要素について御説明しますと、法第72条本文は「報酬を得る目的」で行う行為を規制しております。
    この報酬は、現金に限らず物品や供応を受けることも含まれ、額の多い、少ないは問わず、第三者から受け取る場合も含まれると解されております。
    他方で、無償で受託する場合は報酬を得る目的があるとは言えません。

    また、実質的に無償委任と言える場合であれば、特別に要した「実費」、実費部分を受領しても報酬とは言えないと思われます。
    この「実費」の範囲だと思われますが、当該委任事務を行うために特別に費やされた、例えばコピー代等のようなものはこの「実費」に含まれる可能性がございます。
    他方、人件費のように、当該事務を行うために特別に費やされたとまでは言えないものは、全体として報酬と評価されることが多いのではないかと考えております。

    ○事件性
    「法律事件」という要素についてでございますが、この法律事件といいますのは、法第72条本文に、「訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して」と書かれております。
    このうち「その他一般の法律事件」が何を指すかについては、一般に法律上の権利義務に関して争いや疑義があり、又は新たな権利義務関係の発生する案件とされておりますけれども、この点について、いわゆる「事件性不要説」と「事件性必要説」という考え方がございます。

    「事件性必要説」というものは何かと申しますと、例えば列挙されている訴訟事件その他の具体的例示に準ずる程度に法律上の権利義務に関して争いがあり、あるいは疑義を有するものであること、言い換えれば、事件というにふさわしい程度に争いが成熟したものであることを要するとしております。
    つまり紛争性がある程度成熟して顕在化しているものであれば、法第72条の規制の対象になるけれども、そうでない場合には、つまり事件性がない場合には法第72条の規制の対象にはならない、というのが「事件性必要説」です。

    法務省としては、事件性不要説は相当ではないと考えておりまして、事件性必要説が妥当だと考えております。
    その理由はいろいろございますけれども、事件性不要説では、処罰範囲が著しく拡大してしまいますし、本来、弁護士法第72条が想定している射程の範囲を超えるような事柄についてまで処罰の対象としてとらえてしまうことになるからという点が一番大きい理由になっています。

    事件性不要説の場合、新たな権利義務関係が発生すれば、すべて「その他一般の法律事件」に該当することになりますので、例えば一般の業者が仲介業を行う賃貸住宅の賃貸借契約や不動産の売買契約の締結作用等もすべて法律事件に該当することになってしまって相当ではないと考えています。
    法第72条が弁護士の職務を定めた法3条1項に比べて、限定的な文言を用いていることからも分かるように、弁護士法は刑罰をもって、弁護士以外の者が弁護士の業務一般について行った場合を処罰するのではなく、事件性がある法律事務を行った場合に処罰する趣旨であることを定めたものと考えるのが適当であろうと思われます。

    以上の理由から、法務省としては、いわゆる「事件性必要説」に立っているわけですけれども、その場合、争いや疑義としてどの程度のものが必要かが次に問題となろうかと思います。
    この点、ここに争いや疑義が抽象的又は潜在的なものでもよいと考えてしまいますと、事件性不要説と同じ結論になってしまいますので、争いや疑義は具体化又は顕在化したものであることが必要と考えます。

    ●第162回国会 衆議院 厚生労働委員会 第26号 平成17年6月8日 午前9時32分開議

    政府参考人 倉吉敬(法務省大臣官房司法法制部長)、他省略

    ○弁護士法の優位

    「弁護士法も、それから社会保険労務士法等の隣接法律専門職種の業法も、いずれも法律でございます。
    上位規範、下位規範の関係にございません。
    ただ、法律専門事務の取り扱いにつきまして弁護士法七十二条が一般的に弁護士以外の者による取り扱いを禁じておりますので、他の法律専門職の業法に弁護士法七十二条の特別法となる部分が出てくる、ただそれだけにすぎない、そういう関係でございます。
    弁護士法七十二条が「他の法律」と規定しておりますのは、このような一般法、特別法の関係が存するということを確認的に示したものでございまして、弁護士法が今御指摘の他の法律よりも上位の規範であるということはございません。」

    ○報酬性
    七十二条の要件を説明しろという御趣旨だと思います。
    まず、七十二条には、報酬を得る目的と、それから業としてという要件を掲げております。
    したがいまして、無償で行う場合はまず七十二条違反にはならない。

    ○業務性
    それから、反復継続して行う事実とか、反復継続して行うという意思がない場合には業としてということになりませんので、これも当たらないということになります。

    ○事件性
    また、弁護士法七十二条が規制しておりますのは、法律事務の取り扱いすべてではありません。
    若干条文を援用いたしますが、「訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して」となっておりまして、これについて法律事務を取り扱うこととされております。

    この「一般の法律事件」につきましては、いわゆる事件性があるということが必要と解されまして、事件性のない法律事務を取り扱うことは同条に違反しないと解釈しております。
    なお、この事件性とは、文献によりますと例えばこのように書かれておりまして、今読み上げました列挙されている訴訟事件その他の具体的例示に準ずる程度に法律上の権利義務に関して争いがあり、あるいは疑義を有するものであること、言いかえれば、事件というにふさわしい程度に争いが成熟したものであるということとされております。

    【東京都行政書士会 「行政書士必携~他業種との業際問題マニュアル」】
    裁判所の調停や訴訟にまで発展していない段階:行政書士が解決のために「協議」や「話し合い」を主導することは弁護士法に違反しない。
    ・裁判所の手続が必要なほどに「事件」として争いが成熟したものは弁護士案件。
    ・裁判所の手続が必要なほどに達していないものであれば、行政書士も対応できるというのが行政書士業界の見解。

    【最高裁】
    ○報酬性
    ●金銭に限らず、その他の経済的利益、例えば、物品の物品の収受、飲食接待その他有形無形の利益を含み、また将来の謝礼の期待、将来の利益を受ける約束なども報酬と評価されるが、純粋な行為や無償行為については、職務との対価性が認められないため、報酬性はない(最3小判昭和31年5月11日 刑集10巻5号451頁)。

    ○業務性
    ●単に偶発的な行為ではなく、反復の継続の意思をもって行うことを業の要件として、回数が少なくても営業準備や顧客誘致がある場合は業務性が肯定されるが、一度きりの好意行為は業務性を欠く(最3小判昭和42年6月23日 刑集第21巻5号668頁)。

    ○事件性
    ●法律事件とは、当事者間で法律上の権利義務関係が現実に争われ、又は疑義があり、その私的自治による解決のつかないか、若しくは、その解決をはかることが困難なため、裁判や仲裁、和解、調停等によって、法的手段をもって、その解決をはかることが必要であるか、又は、そのおそれのある事件をいう(最1小判昭和46年7月14日 刑集25巻5号690頁)。
    ●弁護士法72条の「法律事件」とは、当事者間で法律上の権利義務関係が現実に争われ、又は疑義があり、その私的自治による解決のつかないか、若しくは、その解決をはかることが困難なため、裁判や仲裁、和解、調停等によって、法的手段をもって、その解決をはかることが必要であるか、又は、そのおそれのある事件をいうものと解するのが相当である(最1小判昭和53年3月15日 民集32巻2号314頁)。
    ●交渉において法的紛議が生ずることがほぼ不可避である案件を弁護士法第72条の一般の法律事件と触れています(最1小決平成22年7月20日)。

    【高裁】
    同条の言う「その他一般の法律事件」とは同条において列挙された事件(訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件)と同視しうる程度に法律上の権利義務に関し争いや疑義があり、又は、新たな権利義務関係の発生する案件をいうと解するのが相当である(広島高判平成27年9月2日)。

    【地裁】
    ●法的紛争事件説:権利義務や事実関係に当事者間に法的主張の対立があり、法的な紛争解決を必要とする事件(東京地判平成5年4月22日)。
    ●紛争性成熟説:事件というにふさわしい程度に争いが成熟したもの(札幌地判昭和45年4月24日)。
    ●簡易少額説:紛争の実体・態様に照らして、一般人がこれに当面しても、通常、弁護士に依頼して処理することを考えないような簡易・少額な法律事件は弁護士法第72条にいう一般の法律事件には含まれない(札幌地判昭和46年2月23日 昭和43年(わ)第584号)。

    ◆事件性不要説

    【日本弁護士連合会】
    日本弁護士連合会は「条解弁護士法 第4版」 日本弁護士連合会調査室 弘文堂 2007年の615頁で、弁護士法第3条の法律事務と、ほぼ同じとする見解を示しています。

    【高裁】
    法律上の権利義務に関し争いや疑義があり、又は、新たな権利義務関係の発生する案件も弁護士法第72条にいう一般の法律事件だと解する高裁の判例(東京高判昭和39年9月29日、大阪高判昭和43年2月19日、東京高判平成7年11月29日、大阪高判平成26年6月12日など)が若干あります。

    ■<行政書士法>

    ●第1条の3(業務)
    行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。
    2 行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

    ○「官公署」とは「国、地方公共団体およびその他の公の団体の諸機関の総称」をいい、代表的なところとして、省庁・都道府県庁・市町村役場・警察署・裁判所・法務局・労働基準監督署・保健所・出入国在留管理局などがある。
    つまり、裁判所も含まれているが、個別法で除外されていると、行政書士は提出する書類の作成ができないことになります。
    この「官公署」を最初から行政官庁のみとする解釈は条文上にも規定がなく誤りと言えます。

    ○行政書士法第1条の3第1項の規定で、行政書士の業務は次のとおり。
    1 行政書士は
    2 他人の依頼を受けて
    3 報酬を得て
    4 次の業務をする
    ・官公署に提出する書類を作成すること
    ・権利義務に関する書類を作成すること
    ・事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成すること
    ※上記3つの書類は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものも含まれる。

    ○行政書士法第1条の3第2項の規定で、業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

    ●第1条の4(業務)
    行政書士は、前条に規定する業務のほか、他人の依頼を受け報酬を得て、次に掲げる事務を業とすることができる。
    ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。
    一 前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を官公署に提出する手続及び当該官公署に提出する書類に係る許認可等(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第三号に規定する許認可等及び当該書類の受理をいう。次号において同じ。)に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為(弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第七十二条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く。)について代理すること。
    二 前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成すること。
    三 前条の規定により行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること。
    四 前条の規定により行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること。
    2 前項第二号に掲げる業務は、当該業務について日本行政書士会連合会がその会則で定めるところにより実施する研修の課程を修了した行政書士(以下「特定行政書士」という。)に限り、行うことができる。

    ○行政書士法第1条の4第1項の規定で、次の事務も業とすることができる。

    1 行政書士は
    2 他人の依頼を受けて
    3 報酬を得て
    4 次の事務も業務とできる

    1号
    ・行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を官公署に提出する手続について代理すること。
    ・行政書士が作成することができる官公署に提出する書類に係る許認可等と受理に関して行われる意見陳述のための手続(例として、聴聞、弁明の機会の付与の手続)において当該官公署に対してする行為(弁護士法第72条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く。)について代理すること。

    2号
    ・行政書士が作成することができる官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理すること。
    ・行政書士が作成することができる官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について官公署に提出する書類を作成すること。

    3号
    ・行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること。

    4号
    ・行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること。

    ※上記の書類は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものも含まれる。

    ○2号業務に関しては行政書士法第1条の4第2項の規定で、特定行政書士に限られる。

    ○ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。

    【総務省】
    「詳解 行政書士法第5次改訂版」、地方自治制度研究会編、ぎょうせい、令和6年3月25日発行の57頁に、行政書士法を所管する総務省の公権解釈の内容が下記のとおり記載されています。

    総務省自治行政局行政課の二瓶博昭氏の平成13年9月号掲載の論文「地方自治」第646号、行政書士法の一部改正について、地方自治制度研究会、平成13年9月5日発行の92から96頁で、「ここでいう代理人としてとは、契約等についての代理人としての意であり、直接契約代理を行政書士の業務として位置づけるものではないが、行政書士が業務として契約代理を行い得るとの意味を含むものであると解される。またこの規定により、行政書士は契約書に代理人として署名し、契約文言の修正等を行うことができることとなる。」という解釈を示しています。

    【学説】
    東京大学法学部卒の行政法学者で東京都立大学名誉教授の兼子仁博士も「行政書士法コンメンタール新13版」、兼子仁、北樹出版、令和5年5月15日発行の50頁で、「本号の業務は契約書文言の代理確定という範囲であるが、(中略)本号の規定付帯的に契約締結代理が合法的な行政書士業務たりうる」と明記しています。
  • A いいえ、遺産分割協議書の作成の依頼を受け業務にできるのは弁護士と行政書士のみであって、司法書士は遺産分割協議書そのものを作成することができません。
    司法書士が行えるのは、不動産登記に必要な範囲に限った法務局提出書類の作成に留まります。
    不動産登記以外の預貯金や自動車などに関しては仮に分割内容が記載されていたとしても、それは正式な遺産分割協議書とはならず、法的効力はありません。
    そのため、業際の関係上、弁護士または行政書士に依頼する必要があります。

    ●弁護士:行政書士の行える範囲はもちろん、不動産登記や訴訟性があっても対応可能です。

    ●行政書士:不動産、預貯金、自動車などの全てにおいて合意形成前でも形成済みでも関与でき、合意形成前なら代理人として協議・交渉して遺産分割協議書を作成できます。
    ただし、不動産の登記はできず、訴訟しなければ合意形成が取れないほどの紛争性があるものは事件性があると評価され除かれます。

    ●司法書士:相続登記に必要な範囲内のみであり、遺産分割協議の交渉や調整ができず、遺産分割協議書そのものを作成できません。
    登記とは関係なく、預貯金や自動車などの分割内容を書き添えたとしても、その部分に法的効力はなく、弁護士または行政書士の職印をもった正式な遺産分割協議書の作成が必要となります。
    登記の手続きに関する相談はできても、遺産分割の相談はできません。

    ●税理士:相続税申告に必要な範囲内で相続税申告書の作成はできるが遺産分割協議書の作成はできず、相続税の申告に関する相談はできても遺産分割の交渉や調整はできません。
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